「冷媒ガスR22」エアコンは何が問題?入替が必要?
私たちが普段使用しているエアコンには「冷媒ガス」と呼ばれるガスが入っています。エアコンは、このガスによって冷たい風を送り出しているわけですが、この冷媒ガスは、性能の向上や環境への影響を低減する目的で定期的に新しいものに入れ替わっています。
そして、2020年に完全撤廃予定となっているのが「R22」と呼ばれる冷媒ガスです。
比較的古いエアコンを利用している方の中には
「R22が使われているエアコンなんてもう古いよ」
と言われ、不安に感じている方も多いのではないでしょうか?実際、当店でもこういったお問い合わせを多くいただいています。
目次
「冷媒ガスR22」について詳しく解説
そこで今回は、R22の冷媒ガスについて詳しく解説していきます。R22の概要についてはもちろん、お使いのエアコンでの確認方法やR22の業務用エアコンを使い続ける問題点などについて、エアコンのプロがわかりやすく解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
R22とは
まず初めに、冷媒ガスがどういったものなのかという点に触れながら、R22の概要や特徴、なぜ全廃することになってしまったのかについて解説していきます。
冷媒ガス(フロンガス)とは人工的なガス
冷媒ガス(フロンガス)は、
- 炭素
- 水素
- フッ素
- 塩素
- 臭素
などを含む、人工的なガスの名称です。
冷媒ガスが開発されたのは100年以上前の1920年ごろで、
- 燃えにくい
- 安定している
- 人体に影響をあたえない
などの特徴から、冷たい空気を排出する必要がある冷蔵庫やエアコンなどの電化製品に広く用いられるようになりました。
冷媒ガスの一種、それがR22
R22は、これまでのエアコンに用いられてきた冷媒ガスのうちの一つです。
これまでエアコンに用いられてきた冷媒ガスとしては、
- R22
- R407C
- R410A
- R32
などがあげられ、R32が最新の冷媒ガスにあたります。当時、R22は冷凍能力の割に冷媒の容積を少なくできる優れた冷媒ガスであったため、冷蔵庫や冷凍庫、エアコンに採用されていましたが、新しい冷媒ガスの登場により、採用される機会が激減していきました。
冷媒ガスR22が全廃って知っていましたか?
新しい冷媒ガスの登場によって用いられる機会が激減したR22は、2019年の12月末をもって生産が終了してしまいました。
近年オゾン層の破壊が問題になっていますが、R22を含む冷媒ガスもその一因であったため、問題視されていました。この影響によりR22はモントリオール議定書で規制物質に指定され、日本を含む先進国では2020年以降使用できなくなりました。
そのため、R22を含むエアコンが製造されなくなり、実質的に全廃となってしまったわけです。 メーカ(ダイキン)からもR22を含む冷媒ガス全廃についての発表が出ていますので参考にしてみてください。
R22の業務用エアコンの確認方法は簡単です
2019年の12月末をもって実質全廃となってしまったR22が採用されているタイプのエアコン。そこで気になるのが、現在使用しているエアコンにR22が使われているかどうかについて。
エアコンに使用されている冷媒ガスの種類を確認する方法について解説していきます。
お使いのエアコンの室外機で確認できます
現在使用しているエアコンにR22が使われているかどうかをチェックしたい場合は、エアコンの室外機を確認しましょう。
エアコンの室外機には製品の型番や製造番号などが記載されたシールが前面や側面に貼り付けてありますが、その中に「冷媒」の項目があるはずですので、そこに記載されている冷媒の種類を確認してください。
10年以上使用しているエアコンの場合、R22が使用されている可能性が高いため、一度チェックされることをおすすめします。
代表的なメーカー・機種としてダイキンをご紹介
R22が全廃となるまでは各メーカーがR22を採用したエアコンを製造していましたが、今では全廃となって製造自体がおこなえなくなってしまっているため、この様なメーカーサイト(ダイキン)を参考にしてみるのも良いかもしれません。
もしくは、先ほど紹介したとおり、エアコンの室外機にあるシールの項目を確認し、該当していないかどうかをチェックしてみてください。
R22の業務用エアコンを使い続ける問題点
2019年の12月末をもって全廃となったR22を採用しているエアコンですが、もし今使用している業務用エアコンがR22を使用しているものだったとしても、通常通りに使えているのであれば、そのまま使い続けることも可能です。
しかし、問題がないわけではありません。
R22の業務用エアコンを使い続けるときに注意するべき3つの問題点について解説していきます。
電気代が割高
R22は10年以上前のエアコンに採用されているケースがほとんどですが、10年以上も前のエアコンは、今の省エネ性能に優れたエアコンと比べるとどうしても電気代が割高になってしまいます。エアコンの省エネ性能は年々向上しているため、新機種に比べると電気代に結構な差が生じてしまうことがあります。
「毎月の電気代が高い…!」と感じている場合は、新しいエアコンへの交換をおすすめします。
いざ故障したとき、修理できない・遅くなる
今お使いのR22が採用されている業務用エアコンの調子が悪くなってしまった場合、業者に修理してもらわなくてはいけません。
そこで生じるのが、
- 修理ができない
- 修理に時間がかかる
という問題です。
R22が採用されているエアコンはすでに生産が終了してしまっているため、本体はもちろん、部品の入手も困難ですので、探すのに時間がかかってしまうため、修理が完了するまでの時間も長くなってしまいます。また、修理に特定の部品が必要になるケースも多いため、そういった場合は修理がおこなえなくなってしまいます。
R22を使用する企業としての環境への配慮
R22が採用されているエアコンを使い続ける場合、環境への影響についても考慮しなくてはいけません。R22はオゾン層への影響が大きいということもあって全廃されてしまったわけですから、そのまま使い続けるのであれば、企業としての環境への配慮という点にも問題が生じます。
R22のエアコンは長期的に考えると入替・交換がおススメ
R22のエアコンを交換・入替する場合、当然ですが費用がかかってしまいます。
そのため、短期的なコストを重視するのであれば、そのままR22が採用されているエアコンを使用し続けるという選択肢もあります。
しかし、最新のエアコンに比べるとR22が採用されているエアコンは電気代が割高になるため、仮に交換コストを支払ったとしても比較的短期間でペイできますし、実際に短期間でペイするケースも多々あります。また、R22が採用されているエアコンは生産が終了してしまっているため、部品の手配に数ヶ月かかってしまうことがあります。
故障してからあわてて対応しないためにも、一度専門業者によるメンテナンスの実施を検討してみてください。
「冷媒ガスR22」まとめ
一昔前のエアコンに採用されている冷媒ガス(フロンガス)の一種である「R22」について詳しく紹介してきました。
R22は環境への影響が強く懸念されることから全廃が決まり、エアコンに採用されなくなりました。ただ、全廃が決まり生産されることがなくなったとは言え、使用すること自体に大きな問題があるわけではないため、仮にお使いのエアコンがR22を採用しているタイプのものだったとしても使い続けることはできます。
しかし、R22が採用されているエアコンは最新のエアコンに比べて電気代が高くついてしまう傾向にありますし、万が一壊れてしまった場合、部品の調達や修理に数ヶ月かかってしまったり、修理ができないということも少なくありません。
仮に新しいエアコンに交換したとしても比較的短期間でコストを回収できますので、ぜひ交換を検討されてみてはいかがでしょうか?
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