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ビル用マルチエアコンとはどんなエアコン?業務用エアコンとの違いとは?

ビル用マルチエアコンは、1台の室外機で複数の室内機を個別に運転できるエアコンです。業務用エアコンとは異なる種類であるため、違いについてしっかりと知っておく必要があります。今回は、ビル用マルチエアコンについて詳しく紹介します。

 

 

ビル用マルチエアコンについて

 

ビル用マルチエアコンは、オフィスビルや病院など、部屋数の多い建物や施設に欠かせない空調システムです。

ここではまず、業務用エアコンとの違いについて解説します。

 

・ビル用マルチエアコンとは?

ビル用マルチエアコン(ビルマルチ)とは、1台の室外機で、容量の異なる複数の室内機を個別に運転できるエアコンです。

たとえば病院やホテルなどで、各部屋ごとにエアコンの温度調整や運転オン・オフ切替ができれば、それぞれの部屋を利用する人の体感に応じて温度調整でき、快適に過ごせます。そんな機能を実現したのがビル用マルチエアコンです。

1982年にダイキン工業によって国産初のビル用マルチエアコンが発売されて以降、国内の各メーカーによってさまざまなタイプの製品が開発されています。

 

・業務用エアコンとの違い

ビル用マルチエアコンと業務用エアコンの大きな違いは、室内機を個別に運転・調整できるかどうかです。

業務用エアコンは全体で一括して運転調整を行うため、全部屋同じ運転状態で稼働します。一方、ビル用マルチエアコンは部屋ごとに電源オン・オフの切替や温度調整ができ、製品によっては、同じ部屋の中でも部分的に運転状態を変えることも可能です。

また、業務用エアコンの電源は1つで室外機から室内機へ給電されていますが、ビル用マルチエアコンでは、各部屋ごとにエアコンの操作ができるように別々の電源が設置されています。

ビル用マルチエアコンは、業務用エアコンに比べて室外機の高低差や冷媒配管の長さの許容範囲が大きいことから、高層ビルなどの大型の建物でも対応できることが特徴です。

 

・ビル用マルチエアコンと業務用エアコンのどちらを選ぶべき?

ビル用マルチエアコンと業務用エアコンのどちらを選ぶべきかは、設置する建物や目的、規模によって異なります。

たとえば、病院やホテル、ビルなど、部屋数が多く、部屋ごとに個別に調整できる空調を求めている場合はビル用マルチエアコンがおすすめです。また、ビル用マルチエアコンは主に中大規模の建物を対象としているため、目安として3,000m²以上と考えておきましょう。

一方で戸建事務所や工場、店舗などでは、温度や気流にムラなく運転できる業務用エアコンがおすすめです。業務用エアコンなら、広い空間や変形した空間を均一に整えたい場合にも適しています。

このようにビル用マルチエアコンと業務用エアコンでは一概にどちらがいいというわけではないので、設置環境に応じて使い分けることが重要です。

 

・ビル用マルチエアコンのニーズ

ビル用マルチエアコンのニーズは建物によってさまざまです。

一例としては、以下のようなニーズがあります。

 

建物 ニーズ
オフィスビル エアコン更新にかかる期間を減らして、テナントへの影響を抑えたい
病院・介護施設 きれいな空気を保ち、快適な空調環境を提供したい
ホテル お客様のニーズに対応し、ゆっくりくつろげる空間を提供したい
工場・物流倉庫 各従業員がベストなパフォーマンスを発揮できる職場環境を整えたい

 

 

ビル用マルチエアコンの種類

ビル用マルチエアコンには、主に6種類あります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

 

・リニューアルタイプ

既存の冷媒配管や配線を利用して、エアコンを入れ替えられるタイプです。入れ替えのための工程が少なくて済むことから、スムーズな空調更新が可能になります。

工事の規模や期間を短縮できるため、サービス業や病院・福祉施設などでサービス提供の停止を最小限に抑えたい場合は、リニューアルタイプがおすすめです。また、既存の配管などを利用すると、コストも抑えられます。

 

・冷暖同時・切替タイプ(冷暖フリータイプ)

1系統の冷媒配管内で冷房と暖房を同時に運転可能なエアコンです。冷房と暖房のどちらかを運転できる切替タイプと違い、ある部屋では暖房、ある部屋では冷房と、1台の室外機で冷房と暖房の両方を同時に運転できます。特に季節の変わり目で活躍するシステムであり、近年はホテルやテナントなどでもニーズが高まっています。また、太陽光やパソコンなどの電子機器の影響で部屋ごとに温度が異なる場合にも有効です。

冷暖同時・切替タイプは、冷媒の流れる方向を切り替えるユニットを追加することで、吸排熱を同時に利用できることから、省エネ性能にも優れています。

ただし、通常のビル用マルチエアコンは配管が2本であるのに対し、冷暖同時・切替タイプの配管は3本必要で、各室内機に冷暖切替ユニットの設置が必要になるため、設置費用が割高になることがデメリットと言えるでしょう。

 

・コンパクトタイプ

コンパクトタイプは、クレーンを使用せずに室外機を搬入できるように設計されたコンパクトなサイズのエアコンです。エアコンを設置する際に、室外機の設置場所の確保が大変というケースは少なくありません。

コンパクトタイプでは、通常なら4馬力の室外機が2台必要であるところを、1台で8馬力に対応できるなどパワフルな性能を実現しているため、設置台数を減らすことができます。室外機が横吹き形であれば、天井高に制限がある場合でも取り付けが可能です。また、室外機がコンパクトなので、メンテナンスを行うスペースの確保もできます。

住宅や建物が密集しているなど、立地の問題で大きなクレーンが入れない建物や室外機の場所の確保が難しい場合には、コンパクトタイプを選定するとよいでしょう。

 

・氷蓄熱タイプ

室外機と室内機との間に、氷蓄熱槽が付いているタイプのエアコンです。

氷蓄熱タイプでは、冷房を使用していない夜間に氷蓄熱槽で氷を生成しておき、昼間の冷房を使用する際に氷を利用して冷媒を冷やします。電気代の安い夜間電力を利用することで電気代が抑えられ、高効率運転で省エネ効果もあるため、沖縄など1年を通して冷房をよく使用する地域におすすめです。

 

・高暖房タイプ

北海道や東北地方などの寒冷地でも、十分な暖房効果を発揮できる仕様のエアコンです。

寒冷地では、外気温が低いときに突然エアコンが停止してしまうことも少なくありません。

これは霜取り運転によるもので、室外機に霜がついた状態で暖房運転を続けると効率が悪化するため、部屋に暖かい風を送る運転を一時的に中止して霜を溶かす運転を行うことで起こる現象です。

高暖房タイプは、この霜取り運転時でも快適な室温を維持するための改良が加えられています。また、室外機に凍結を防止する機能や表面積の大きい熱交換器が採用されていたり、冷媒をすぐに高温にできる高性能なコンプレッサーが装備されていたりするため、外気温が極端に低い寒冷地では高暖房タイプを選ぶとよいでしょう。

 

・水熱源タイプ

水熱源タイプは、水の配管を利用したシステムのエアコンです。

年間を通して空気よりも温度が一定に保たれやすい水を熱源として利用することで、高効率で安定した冷暖房運転が可能になり、ランニングコストを抑える効果も期待できます。

長尺化が容易なため、地下街や高層ビルにおすすめの空調タイプです。

 

 

ビル用マルチエアコン工事の注意点

ビル用マルチエアコンの工事をする際に、注意する点が2つあります。

 

・クレーン車を使用する可能性が高い

ビル用マルチエアコンの設置工事では、室外機を搬入する際に外形寸法が大きく重量もあることから、クレーン車を使用する可能性があります。そのため、クレーン車が入れないような狭い路地に接道している場合などは、設置業者にあらかじめその旨を伝えておきましょう。クレーン車を使わずに搬入できるコンパクトな製品に切り替える、もしくは重量物搬入の取り扱いに慣れている重量鳶を手配して搬入する方法をご提案するなど、柔軟に対応してくれます。

エアコンの設置工事中には壁や床を傷つけないためにエレベーターや各部屋には養生シートが張られます。クレーンでの搬入と同時進行で建物内の養生をする場合もあるので、念頭に置いておきましょう。

 

・信頼できる業者に頼む必要がある

家庭用のエアコンとは違い、工事規模も出費も大きいビル用マルチエアコンの工事は特に業者選びが重要です。エアコンは、設置する場所の規模や環境、新設か入れ替えかによっても選定する製品が異なるため、技術力はもちろん、十分な経験と知識をもつ業者に依頼する必要があります。

「養生などで保護してくれず、壁を傷つけられた」「見積もりは安価だったのに、当日になって高額な工事費用を提示された」などのトラブルに巻き込まれないようにするためにも、工事業者選びは慎重に行い、信頼できる業者を見極めましょう。

 

 

ビル用マルチエアコンの設置工事は『エアコン総本店』にお任せください!

 

エアコン総本店では、ビル用マルチエアコンの設置工事にも対応しております。

創業40年以上、50,000台以上のエアコン設置実績を持ち、事務所や飲食店、病院、工場など、さまざまな業種での設置工事を行ってきた経験から、どのような現場にも幅広く柔軟に対応いたします。

また、見積もりから施工、アフターフォローまですべて1人の営業スタッフが対応する「専任担当制」を採用しているため、スピーディーかつきめ細かな対応が可能です。設置工事は国家資格を保有する確かな技術力のあるスタッフが行っており、室外機や配線の配置が難しい場所への施工も安心してお任せいただけます。

ビル用マルチエアコンの設置工事で失敗したくない方は、ぜひエアコン総本店へお問い合わせください。

 

 

まとめ

ビル用マルチエアコンは、業務用エアコンと異なり、部屋数の多い建物で活躍する空調設備です。新たにビル用マルチエアコンの設置や、既存エアコンの入れ替えでお悩みの方は、今回の記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。

 

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