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オフィス・事務所の業務用エアコンの選び方

毎日従業員が働くオフィスや事務所では、室内を的確な湿度・気温にしておくことで、生産性の向上にもつながります。しかし、適切な業務用エアコンを選ばなければ、快適な空間はできません。

そこで今回は、オフィスや事務所に適した業務用エアコンの選び方を解説します。新たに業務用エアコンの導入を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

 

オフィスや事務所に適している業務用エアコン

家庭用に比べ、馬力が大きく長時間の連続運転にも耐えられる業務用のエアコンは、オフィスや事務所に適しています。最適な機種を選定するために、まずは一般的に使用される業務用エアコンの形態と空調方式を確認しておきましょう。

 

・天井カセット形

室内機本体を天井裏に埋め込み、吹き出し口だけを露出させるタイプです。すっきりした見た目に人気があり、現在最も多く採用されています。

吹き出し口は、1方向、2方向、4方向、360度全方向などがあり、オフィスや事務所の空間に合わせたものを選びやすいのもメリットです。

 

・天井吊形

室内機本体を天井から吊り下げるように設置するタイプです。室内機は露出しますが、フラットで目立ちにくいデザインのため、天井裏に設置できる場所がない場合によく用いられます。

 

・オフィスや事務所で導入されることが多い空調の方式

オフィスや事務所で一般的に使用される空調の方式には、個別空調方式とセントラル空調方式の2つがあります。

<個別空調方式>

各フロアまたは部屋ごとにコントロールパネルがあり、個別に温度設定や風量の調整ができる空調方式です。事務室や作業部屋、会議室など、それぞれの利用状況に応じてエアコンを稼働できるので、省エネ性に優れ、快適性も確保できます。

<セントラル空調方式>

1つのメインユニット(熱源装置)で、複数の部屋を同時に稼働させる空調方式です。エアコンの操作や設定を一括で行えるため、消し忘れなどの心配がなく、大きなオフィスや事務所では効率的なエネルギー使用や運用管理が可能になります。

 

オフィスに適した業務用エアコンの選び方

業務用エアコンの選び方で重要となるのが、オフィスや事務所の広さに合ったエアコンの馬力を知ることです。馬力に過不足があると、効率的な冷暖房効果は得られません。

ここでは馬力の目安と、あると便利な5つの機能を紹介します。

 

・広さに適した馬力

オフィスの広さ 馬力
24~39m²(7~11坪) 1.5~1.8
29~43m²(8~13坪) 2.0
37~55m²(11~16坪) 2.5
47~70m²(14~21坪) 3.0
66~97m²(20~29坪) 4.0
82~122m²(24~36坪) 5.0
94~139m²(28~42坪) 6.0
132~195m²(40~59坪) 8.0
165~243m²(50~73坪) 10

 

上記はあくまで目安となるため、オフィスの構造や環境などにより、必要な馬力は変わります。業務用エアコンを選ぶ際は、専門家に相談しながら最適な馬力を選びましょう。

 

・あると便利な機能

オフィスを快適な空間にするためには、業務用エアコンに以下のような機能があると便利です。

<換気機能>

空気中のウイルスや微粒子を除去する換気機能は、オフィスでの感染症対策として重視されます。また、新鮮な空気を取り入れることで室内の空気をリフレッシュでき、作業効率の向上や快適な環境づくりにも役立つでしょう。

<空気清浄機>

エアコンに搭載された空気清浄機は、花粉やホコリ、細菌などの微小な粒子を除去し、室内の空気をきれいに保ちます。アレルギー症状のある人や健康を重視する企業にとっては、特に重要な機能と言えるでしょう。

<省エネ性>

エアコンの稼働時間が長いオフィスでは、電気代も高くなるため、経費節約につながる省エネ性に注目することも大切です。各メーカーからは、節電効果が期待できる人感センサー機能や最大電気量を制御する機能などを搭載した、省エネモデルや超省エネモデルが続々と発売されています。

一般的に、省エネ性能の高い業務用エアコンは標準機種より高額ですが、自治体の補助を受けられるケースがあるので、導入前に確認しておくとよいでしょう。

<自動掃除機能>

エアコン内部の汚れやカビの発生を抑えるには、定期的な掃除が必要です。自動掃除機能が備わっていれば、メンテナンスの手間が減らせるほか、余分な電力消費を抑えた効率的な運転も可能になります。

<周囲の環境に合わせた機能>

オフィスの場所や、気候条件に応じた機能も考慮しましょう。たとえば、潮風を受けやすい沿岸地域では、塩害対策として、室外機にサビや腐食に強い素材・コーティングなどが必要です。また、寒さが厳しい地域では、寒冷地仕様の業務用エアコンを選びましょう。

 

室外機の種類

まずは、室外機の種類を解説します。

 

・マルチとペアの違い

マルチタイプ室外機は、1台で2〜4台の室内機を運転でき、同時運転形と個別運転形に分けられます。同時運転形は広い空間をムラなく空調でき、個別運転形は間仕切りのある空間や各部屋の設定温度を変える場合におすすめです。また、ペアタイプの室外機は1台で対応できる室内機の台数が1台に限られており、小規模オフィスなど空調規模の少ない空間やエアコンを追加で設置する場合に適しています。

 

・ファンの向きによる違い

<上吹き>

上吹きタイプはファンを上向きに設置した構造で、複数台の室外機を限られたスペースに設置する場合におすすめです。大規模のビル・オフィスなどで業務用エアコンを使用する場合に設置するケースが多い傾向にあります。

<横吹き>

横吹きタイプはファンを横向きに配置し、室外機内のプロペラと熱交換器を通過する風の速度を一定に保つことで、省エネルギーを実現した構造です。コンパクトで狭いスペースにも対応できるので、高層マンションや小規模オフィスなどに業務用エアコンを設置する場合は、横吹きタイプを検討するとよいでしょう。

 

室外機の設置場所にも注意しよう

ここからは、室外機を設置する際の注意点を紹介します。

 

・通気スペースが十分であること

業務用エアコンを設置する際は、室外機の熱交換を適切に行うために十分な通気スペースを確保しなければなりません。通気スペースが狭いと、室外機の性能が落ちて故障する可能性もあります。室外機の熱が逃げやすくなるように、周囲の空間に適切な距離を保つことが大切です。

 

・可燃物との距離

室外機の周辺にガスボンベなどの可燃物を置くと、火災や爆発の恐れがあります。そのため、業務用エアコンを設置する際は、可燃物との距離を室外機の熱が直接伝わらない程度に確保しなければなりません。特に、プロパンガス容器は、室外機との距離を2m以上離して設置するのが一般的です。

 

・塩害がない場所

海沿いなどで業務用エアコンを設置する場合は、塩害による室外機への影響に注意が必要です。塩分で室外機の外装や部品が腐食すると、性能が落ちて故障を招く可能性もあります。塩害のある場所で使用する場合は、塩害の影響が少ない場所に設置したり、耐塩害仕様のものを選んだりするのがおすすめです。

 

業務用エアコンを設置する前のポイント

ここからは、業務用エアコンを設置する前のポイントを解説します。

 

・現地調査に時間をとる

業務用エアコンは設置に時間がかかるため、現地調査は念入りに行わなければなりません。現地調査では、室内機と室外機の両方を考慮する必要があるため、1時間〜半日を目処に調査時間を予定しておくと安心です。また、業務用エアコンの現地調査では以下の内容を確認します。

  • 室内機の設置環境・寸法・内部
  • 室外機の設置環境・信号線・配管ルート
  • ブレーカー容量・専用回路
  • 設置に必要な部材・作業車、工事の制約、条件等

 

・ビルの場合は立ち入り許可をとる

オフィスビルなどに業務用エアコンを設置する場合は、立ち入り許可を取ることも大切です。ビルの種類によっては業者が立ち入りできる範囲が限られている場合もあるため、どこまで立ち入れるか管理会社やオーナーに事前に確認しておくとよいでしょう。

 

・工事の申請をする

業務用エアコンの設置に溶接作業が含まれる場合は、工事日程や火気使用の有無、工事内容を具体的に把握して、火気申請や工事申請を行わなければなりません。オフィスビルなどで設置作業にエレベーターを使用する場合は、管理会社への申請はもちろん、従業員や工事関係者以外の立ち入りに配慮する必要もあります。また、業務用エアコンの設置で天井や壁に穴を空けなければならない場合は、あわせて確認しておくと安心です。

※また、工事の騒音を考慮し、工事前に工事案内の配布や掲示をしておくとよいでしょう。

 

業務用エアコンは業者選びも大切!どんな業者を選ぶべき?

業務用エアコンの導入に際しては、以下のポイントに気を付けて信頼できる施工業者を選ぶことが重要です。

 

・有資格者がいる

業務用エアコンの取り付けには、無資格でできる作業と資格者にしかできない作業があります。対応できる工事に制限がかかるので、電気工事士など有資格者がいる業者に依頼するようにしましょう。

 

・フロンガスを回収してくれる

業務用エアコンを廃棄する際は、エアコンの冷媒用に使われているフロンガスの回収が法律で義務付けられています。定められた手順で回収・廃棄せずに放出してしまった場合は依頼主の責任になるため、正しい処理をしてくれる業者を選びましょう。

 

・事前調査や提案をしてくれる

建物や部屋の状況、業種などによって最適なエアコンは異なります。そのため、現場に足を運ぶなど事前調査を行ったうえで選定してくれる業者のほうが、オフィスに適切な業務用エアコンを提案できるでしょう。

 

まとめ

オフィスや事務所に適した業務用エアコンの選び方を解説しました。適切なエアコンの種類、広さに合った馬力、便利な機能、信頼できる業者選びなどが重要なポイントです。

エアコン総本店では、国家資格保有者や経験豊富なスタッフにより業務用エアコンの選定・設置工事を行います。オフィスの快適性や効率性を向上させるために、エアコン総本店をぜひご利用ください。

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