シーズン前に絶対やってほしい！業務用エアコンの動作チェック

業務用エアコンを使用する際は、シーズン前に試運転で動作を確かめなければなりません。

そこで今回は、業務用エアコンの使用前に確認すべきポイントを解説します。動作チェックが必要な理由や故障しやすい使用環境の例も紹介しますので、これから業務用エアコンを使用する予定のある方はぜひご覧ください。

メーカーごとの試運転の方法

まずは、各メーカーの業務用エアコンの試運転の方法を解説します。

・ダイキン

ダイキンの業務用エアコンを試運転する手順は、以下の通りです。

①試運転モードで冷房運転を開始する

②10分間運転してエアコンの効き具合や異常ランプが点滅していないかを確認する

③さらに30分間運転を継続して水漏れや異臭・異音がないかを確認する

・東芝

東芝の業務用エアコンを試運転する手順は、以下の通りです。

①次の項目を確認する

• エアコンのブレーカーが入っているか
• ブレーカーボックスやブレーカーの周辺にホコリが溜まっていないか
• リモコンの電池が切れていないか
• フィルターが汚れていないか
• 室外機の周辺環境は適切か
• 排水ホースが詰まっていないか

②16℃で10分間冷房を運転する

③エアコンの効き具合や異常ランプが点灯していないかを確認する

④さらに30分間運転を継続して水漏れや異臭・異音がないかを確認する

・三菱電機

三菱電機の業務用エアコンを試運転する手順は、以下の通りです。

①次の項目を確認する

• エアコンのブレーカーが入っているか
• 電源プラグやブレーカーボックス、ブレーカーの周辺にがたつき・ゆるみ・変色・ホコリがないか
• フィルターが汚れていないか

②試運転モードで冷房運転を開始する

③10分間運転してエアコンの効き具合を確認する

④さらに20分間運転を継続して水漏れや異臭・異音がないかを確認する

・日立

日立の業務用エアコンを試運転する手順は、以下の通りです。

①次の項目を確認する

• エアコンのブレーカーが入っているか
• 電源プラグやブレーカーボックス、ブレーカーの周辺にホコリが溜まっていないか
• 排水ホースが詰まっていないか

②試運転モードで冷房運転を開始する

③冷風が出ているか確認する

④室内機のタイマーランプが点滅していないかを確認する

⑤水漏れや異臭・異音がないかを確認する

・三菱重工

三菱重工の業務用エアコンを試運転する手順は、以下の通りです。

①次の項目を確認する

• エアコンのブレーカーが入っているか
• 電源プラグやブレーカーボックス、ブレーカーの周辺にホコリが溜まっていないか
• リモコンの電池が切れていないか
• フィルターが汚れていないか
• 室外機の周辺環境は適切か
• 排水ホースが詰まっていないか

②運転モードで冷房運転を開始する

③10分間運転してエアコンの効き具合を確認する

④さらに30分間運転を継続して水漏れや異臭・異音がないかを確認する

・パナソニック

パナソニックの業務用エアコンを試運転する手順は、以下の通りです。

①次の項目を確認する

• エアコンのブレーカーが入っているか
• 電源プラグやブレーカーボックス、ブレーカーの周辺にホコリが溜まっていないか

②試運転モードで冷房運転を開始する

③30分以上運転する

④エアコンやリモコンの動作に不具合がないかを確認する

チェック時に見ておくべきポイント

ここからは、業務用エアコンの動作チェック時に確認すべきポイントを紹介します。

・冷風が出ているか

まずは、冷風が出ているか確認しましょう。冷房が効きにくい場合は、設定温度やフィルターの汚れ具合、室外機の設置場所など、運転の妨げになるような箇所がないか確認してください。また、ガス漏れなどで冷媒機能に不具合が発生した場合も冷風が出なくなる可能性があるため、修理作業やガスの補充を専門業者へ依頼するとよいでしょう。

・エラーコード

エアコンの異常は、不具合の種類ごとにエラーコードで表示されます。エラーコードの内容は各メーカーで異なるため、取扱い説明書でどこに異常があるか確認したうえで、必要な対策を講じてください。

・異音がないか

エアコンの運転中に明らかな異音がする場合は、ただちに専門業者へ相談しましょう。特に、硬い物質がこすれるような音は、内部部品の破損から重大な故障につながる可能性もあるため、注意が必要です。

・水漏れがないか

エアコンの水漏れは、ドレンホースによるものが多い傾向にあります。ドレンホースの破損や詰まり、先端の跳ね上がりが原因であれば、排水できる状態にすることで水漏れを改善できるでしょう。ただし、ドレンホースのつなぎ直しが必要な場合や、コンプレッサーの故障が予想される場合は、専門業者に修繕を依頼するのがおすすめです。

・動かない

エアコンが動かない場合は、各メーカーの取扱い説明書の内容にしたがって本体をリセットしましょう。内部の故障が原因で動かない場合は、修理費用が高額になる可能性を考えて、買い替えを検討するのもおすすめです。ただし、エアコンの種類によっては設定温度で運転を停止する機能が搭載されている可能性もあるため、エアコンが動かない原因を見極めて修理や買い換えを判断するとよいでしょう。またブレーカーを一度落としてから再度上げると復旧する場合もあります

・異臭がしないか

異臭の原因は、エアコン内に溜まったホコリや汚れによって発生した、カビや雑菌です。まずはエアコン内のホコリや汚れを取り除き、それでも異臭が改善しなければ専門業者へご依頼ください。

シーズン前に業務用エアコンの動作チェックが必要な理由

ここからは、シーズン前に業務用エアコンの動作チェックが必要な理由を解説します。

・故障のリスクが高いため

長期間使用していないエアコンは、内部の経年劣化が進みやすく、故障のリスクが高い傾向にあります。そのため、エアコンを久しぶりに使用する場合は早めに試運転を行い、異常や不具合を早い段階で発見することが大切です。

・シーズンになると業者が繁忙期になるため

エアコンを使用するシーズンは業者の繁忙期にあたるため、修理の対応に時間がかかる可能性があります。特に、夏場は一日中エアコンを稼働させている場合も多く、エアコンの負担増加で故障のリスクが高まることから、専門業者への依頼が殺到する時期です。遅くとも5月までにエアコンの試運転を実施して、不具合を早期発見できるように心がけるとよいでしょう。

使用環境によってどんな故障が起こりやすい？

ここからは、故障が発生しやすい使用環境例を紹介します。

・飲食店

飲食店では、調理時に発生する水蒸気や油煙などがエアコンに付着して、故障しやすい傾向にあります。飲食店で業務用エアコンを使用する際は、こまめな換気やクリーニングを心がけ、調理中に室温が上昇しやすい環境であれば、熱がこもらない配置にすることが大切です。また、害虫や害獣がエアコン内部に侵入して故障する場合もあるため、生ゴミを溜めない環境を整えておくのもよいでしょう。

・美容室やペットショップ

美容室やペットショップは、毛や整髪料などが内部に蓄積することでエアコンが故障しやすい傾向にあります。放置した汚れがヘドロ状に固まると、異臭や配管の詰まりを引き起こす可能性もあるので、こまめなクリーニングを実施することが大切です。

・工場・倉庫

工場や倉庫は、油や粉塵でエアコン内部が汚れやすく、機械の熱でエアコンに負担がかかりやすい環境です。24時間稼働している場合は、さらにエアコンへの負担も大きくなることから、こまめなクリーニングやメンテナンスで突然の故障を予防する必要があります。

まとめ

業務用エアコンの動作チェックを行う際は、各メーカーの取扱説明書を参考に試運転を実施してください。試運転を実施する際は、水漏れや異音・異臭などの不具合がないか確認しておくと安心です。特に、夏場はエアコンの故障リスクが高まるので、突然の故障で困ることがないよう早めに動作チェックを実施しましょう。