業務用エアコンが故障しやすい夏の前にここをチェック！早めの修理と交換が重要です

業務用エアコンは夏に壊れやすく、使用できずに困った経験のある方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、業務用エアコンを快適に使用するための対策を紹介します。買い替え時期や使い方の注意点も解説しますので、これから業務用エアコンを使用する予定のある方は、ぜひ参考にしてください。

業務用エアコンはなぜ夏に故障しやすい？

まずは、業務用エアコンが夏に故障しやすい理由を解説します。

・夏はエアコンがもっとも使われる時期だから

夏はエアコンの稼働時間が長く、エアコンへの負担が大きくなりやすいため、故障が増える季節です。特に真夏は外気温と室温の差が大きく、消費電力が増加することでエアコンが故障しやすい傾向にあります。また、室外機に直射日光が当たると熱された空気の逃げ場がなくなり、エアコンの負担を余計に増やす恐れがある点にも注意が必要です。

・夏にエアコンが壊れると大変なことになる？

夏はエアコンが壊れやすく、専門業者の繁忙期にあたるため、エアコンが故障しても修理に時間がかかる可能性があります。繁忙期は作業料や出張費が高く設定されている場合もあり、突然の故障で困らないように早めの対策を心がけなければなりません。

業務用エアコンが夏の間も快適に使えるようにするには

ここからは、業務用エアコンを夏の間快適に使用するための対策を紹介します。

・まずは試運転で状態をチェックしよう

まずは、エアコンを本格的に使用する前に試運転を実施してください。試運転を実施する際は、夏の使用環境を想定して最低温度で40分程度冷房運転するのがおすすめです。試運転の開始から10分経過したら、エアコンから排出される風の温度や異常ランプ・エラーコードが表示されていないか確認しましょう。また、試運転の開始から30分経過後にも同様の確認作業を行い、室内機からの水漏れもあわせて調べておくと安心です。試運転で異常があった場合は、取扱説明書の対処方法をもとに自力で直せる場合もありますが、難しければ早めに専門業者へ相談するとよいでしょう。

・必要に応じてメンテナンスや修理をしよう

エアコンの使用中に異音や異臭がある場合は、内部に異常が発生している可能性があるので、専門業者にメンテナンスや修理を依頼しましょう。専門業者に相談する際は、繁忙期を迎える6月以降を避けて、早めに予約をとるのがおすすめです。

・クリーニングをしておこう

エアコンの運転に異常がなくても、定期的なクリーニングを忘れてはなりません。エアコンのクリーニングを実施すると、雑菌やカビの繁殖を抑制して咳やアレルギー症状の発生を予防できるうえに、エアコンの効きを向上させるメリットもあります。また、エアコンのクリーニングは自分で行っても問題ありませんが、2年に1度専門業者へクリーニングを依頼すると安心です。

・場合によっては交換も考えよう

業務用エアコンを10年以上使用している場合は、交換もご検討ください。新しい機種であれば節電効果が高く、ランニングコストの節約も可能です。業務用エアコンは家庭用のものよりも耐久性が高い傾向にありますが、コンプレッサーの故障や冷媒ガスの漏れがあると、修理費用が高額になることもあります。そのため、長期間使用しているエアコンが故障した場合は、交換も視野に入れておくとよいでしょう。

業務用エアコンの買い替え時期

ここからは、業務用エアコンの買い替え時期を解説します。

・耐用年数の種類

＜法定耐用年数＞

法定耐用年数とは、業務用エアコンの寿命の指標として活用される、固定資産の会計処理を目的に定められた年数のことです。業務用エアコンの法定耐用年数は、建物付属設備に該当するものであれば約15年、22kW以下の冷凍機が搭載されているものであれば約13年、それ以外は約6年と言われています。業務用エアコンに故障が見られなければ法定耐用年数を超えても使用可能ですが、資産価値が失われる点にご注意ください。

＜物理的耐用年数＞

物理的耐用年数とは、定期的なメンテナンスを前提に設定された各部品の耐用年数のことを指します。業務用エアコンのフィルターは約5年、防振ゴムは約10年の物理的耐用年数が設定されていますが、寿命を示す年数ではないため、部品に不具合がなければ物理的耐用年数を超えた使用も可能です。

＜経済的耐用年数＞

経済的耐用年数とは、メンテナンス費用の増大で買い替えの検討が予想される年数のことを指します。法定耐用年数や物理的耐用年数のように各機種に設定されているものではなく、使用方法やこまめなメンテナンスで故障や性能低下のリスクを抑えられれば、使用できる期間を延ばすことも可能です。

・耐用年数だけでなく状態に注意

業務用エアコンを使用する際は、耐用年数だけでなく、状態の変化に注意することも大切です。水漏れや異音・異臭などの不具合や電気代の変化がないかこまめに確認し、定期的なクリーニングやメンテナンスを実施すれば、故障のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

こんな使い方をしている場合は要注意！

ここからは、業務用エアコンを使用する際の注意点を紹介します。

・十分なメンテナンスができていない

業務用エアコンは定期的なメンテナンスを前提に設計されており、手入れが行き届かない状態のまま使用すると、法廷耐用年数よりも早く故障する可能性があります。そのため、特に不具合が見られない場合も定期的な点検を実施し、早い段階で異常を発見することが大切です。

・フィルターの掃除をしていない

フィルターにほこりや油汚れが溜まると、業務用エアコンの劣化を早めます。フィルターに溜まったほこりは掃除機で取り除き、細かい部分の油汚れは中性洗剤を歯ブラシにつけて掃除しましょう。ただし、フィルターに水分を残したままにするとカビや雑菌が発生する恐れもあるので、掃除後はタオルやドライヤーで乾かさなければならない点にご注意ください。

・長期間使用していない

エアコンは、長期間使用せずにいると内部の劣化が進みやすい傾向にあります。特に、エアコンを1年以上稼働させていない場合は劣化が進行しているかもしれません。また、エアコンは使用していない時期もほこりや汚れは溜まるため、3か月に1度の試運転や定期的なクリーニングを実施することが大切です。

・室外機の場所が悪い

室外機は、換気スペースのない場所や直射日光のあたる場所に設置したり、掃除が不十分だったりすると、換気機能が低下して故障のリスクが高まります。業務用エアコンを使用する際は、以下を参考に設置場所をご検討ください。

• 換気スペースが十分に確保されている
• 水平に設置できる
• 長時間強風があたらない
• 室内機と4m程度離れている
• 塩害の影響を受けない

・湿度が高い場所で使用している

エアコンを湿度の高い場所で使用すると、カビや雑菌が発生して内部の金属部品を腐敗させて、法定耐用年数よりも早く故障する可能性があります。特に湿度が高くなりやすい梅雨の時期は、定期的なクリーニングやこまめな換気でカビや雑菌の繁殖を防ぎましょう。

まとめ

業務用エアコンは、本格的に使用する夏より前に試運転を実施して、動作に異常がないか確認することが大切です。こまめな清掃やメンテナンスを行い、不具合があれば繁忙期である6月以降を避けて専門業者へ依頼するのもよいでしょう。